この日は朝からイベントが目白押しでした。
午前中に先日カナディアンズが練習していたリンクでモントリオールカナディアンズクラブのPeeweeと練習試合、少し早めのランチを取り、そのままモントリオールカナディアンズ対オタワセネターズのNHL観戦に向かいました。

練習試合では今までの相手と比べると組織的でパワープレーもしっかりとつなぐスキルの高いチームでした。
その相手に勝たなければ本番でも上に行くのは難しいということもあり、厳しいプレッシャーの中で選手たちは真剣に取り組んでいました。

そして待ちに待ったNHL観戦。リンクに着く前から全員のウキウキが止まらず落ち着いてはいられませんが、スタッフとして帯同してる以上、しっかり子供たちを守らないとないので、はやる気持ちを抑え、誰かが逸れてないか、調子の悪い選手はいないかを確認しながらリンクに着きました。
実はカナディアンズのチケットを入手するのは困難らしく最初はかなり上の座席での観戦でした。子供たちは座席に関係なく大興奮でしたが、この後に信じられないことが起きました。

黒川監督がやりとりしていた、カナディアンズのチームスタッフの方が座席までやってきてくださって、1階席に移らない?との嬉しい提案をいただきました。
ただ、全員が一緒に座れる席はないので少しずつ離れて二人組に分かれて座りましたが、ほとんどの子どもたちがなんと最前列のチケットをいただきました。

何とゴールの真後ろで見た子たちもいて、TVにも映っていたようです。子どもたちが座っていた座席は、年間チケット保有者やチームが保有している座席で、普通は購入出来ないようです。子どもたちは夢のような時間に大興奮でした!

モントリオール・カナディアンズとその関係者の皆さんの配慮に深く感謝します。

さて自分の体験と感動のみを書いているとスタッフとして帯同している役割を果たせていないのでセレクトジャパンの選手について話をすると、全国各地の選手が集まりどの選手も高いスキルを持っているのはもちろんですが、その選手たちが同じ年代のAAAの一クラブチームの選手たちを相手にすると、今まで通用していたことが通用しなくなったり、プレーを変えていかなければ打開できないことが多々あり、選手たちはそれだけで新しい発見をしていました。
個の力で思い通りにプレーしていた選手たちがチームとして動かなければ得点どころか攻めることすらできなくなったり、速いパス回しで崩されてしまうことが多く見られました。
そんな場面に直面した選手たちが不利な状態で1-2を仕掛けたらどうなる?他に選択肢はないのか?チャレンジしてダメだったら次はどう打開する?監督から何回も問いかけられ、氷上にいる全員でプレーをすることができるようになってきました。
そしてそれはチームがまとまっていくきっかけにもなり、それぞれの選手が良いところ苦手なところを理解し合い試合をするごとにいいプレーが増えています。
スケーティングはもちろん、スキル、スピードもカナダの選手に引けをとっていません。ただなにが違うかと言えば瞬間的な判断力、接戦でのスキルの選択、爆発力はカナダの選手に学ぶべきことが多いです。

選手たちはどんな時も全力で頑張っています。日本の選手も素晴らしいスキルを持っています。
だからこそトーナメントのような一発勝負ではなく毎週のようにリーグ戦での試合が行われ、しかもそれが接戦になるように徹底したクラス分けと、年代別に適切な育成に繋がる柔軟なルールで試合ができ、選手が勝利を目指しながら大人は勝敗に左右されず全員が必ず同じような帯氷時間を与えられるといったことが日々当たり前のように為されているからだと感じました。
練習を見ても日本の単独チームの方がよっぽど難しい練習をしています。
それでも試合になると、差が生まれてくるのは常に接戦の試合と1つ上の目標を持って試合ができるからだと思います。
実際に自分の目で見て、10点20点取って勝ったとか、1人の選手に勝利を背負わせるといったことよりも大事なことがあると痛感しました。
勝利を目指すのは選手。大人はその道すがらをまっすぐ進んでいけるようサポートしていかなければならないと思います。
まだ日程の半分も過ぎておらず、これから本番に向けての最終調整に入ります。
チームは優勝を目指して頑張っていますので、少しでもサポートできるよう自分も頑張ります!

カテゴリー: 伸児カナダ日記

tohru

◎20世紀少年です◎ ◆東京オリンピックのとき小学校1年生 ◆大阪万博 中学校1年生 ● 鉄腕アトム ● サンダーバード ● 学研の科学